110番通報と消えた老人

明日が保育園の運動会で園では準備があるため、チビたちは午後1時でお迎えとなった今日。
車でチビたちと家に到着してみると、家に入る国道の歩道の縁石におじいちゃんが一人座っていた。
見た事のないおじいちゃん。年は70才ぐらい。黄色のポロシャツに黒いジャージのズボン、手にはパンパンに荷物の入ったスーパーの白いビニール袋をさげて、白い傘を杖がわりにしていた。
散歩?と思いつつも、老人の徘徊?、迷子、家に帰れない、もし事故にでもあってしまったら、もし家族が探していたら…と気になって、あたしは家に入っても窓からちょこちょことおじいちゃんの様子を見ていた。
おじいちゃんは10分ぐらい縁石に座り、おもむろに立ち上がってはよろよろと歩いていた。南に10メートルぐらい歩いては座り込み、今度は北に10メートルぐらい歩いてはまた座り込む。そうしておじちゃんはまた戻ってきてうちの前の縁石に落ち着いてしまった。
何十分もその場を動かないおじいちゃん。
季節は秋とは言え、気温29℃の晴天の今日、帽子もかぶらず飲み物も飲まなければ倒れてしまう。
あたしはおじいちゃんを見れば見る程心配になり、直接声をかけようか迷っていた。
でもこのところ理不尽な事件がニュースになったり、逆ぎれされたりして、突然被害にあう事件も少なくない。
あたしはこんな晴天に傘を持っているおじいちゃんも恐く思えて直接声をかける事ができず、でも南へ北へふらふらしているおじいちゃんがやっぱり心配で警察に電話する事にした。
ダイヤル「1…1…0」
「はい、警察です」
呼び出しの音もしないまま警察の男性のてきぱきした声が耳に飛び込んできた。
「どうしましたか?」
「あのぅ、事件とか事故じゃないんですけど…」
「どうしましたか!」
「あのぅ、ただの散歩かも知れないんですけど…」
「あのうじゃわかりません。どうしたんですか!」
つっこまれてしまった(^o^;
あたしはおじいちゃんがよろよろと行ったり来たりしている事、国道なので車が多く、トラックなどはおじいちゃんをよけて通っていて危ない事、などを伝えた。
警察からはおじいちゃんのだいたいの年令、服装、様子などを聞かれ、「これから向かいます。ありがとうございました。」の言葉を最後にあたしは電話をきった。
しかし5分が過ぎ、10分が過ぎても警察はやってこない。あたしはよろよろと歩いていくおじいちゃんをベランダから見ながら警察を今か今かと待っていた。
これは事件じゃないから来ないのか?それとも警察は10分たっても来ないものなのか?それとも田舎の警察はのんびりしてるのか?
もぉー!遅いっっっ!!もしこれが一刻をあらそう事件だったら10分も待っていられないぞーーー(`´)
あたしはイライラしながら警察を待ち、おじいちゃんを見て…え?あっ( ̄□ ̄;)!!…お、おじいちゃんがいないー!おじいちゃんが消えたー!今の今まで見えていたのにーーー!
警察のバカー!あたしのバカー!おじいちゃんを見失っちゃったじゃないかぁ〜!
あたしはお昼寝している娘田中をそのままに、息子銭形と共に車に乗り込み、今まで見えていたおじいちゃんの捜索を開始した。
すると警察が今頃やってきた。ゆっくり巡回している様子だ。あたしはおじいちゃんが見えなくなったあたりのガソリンスタンドに飛び込み、おじいちゃんを見なかったかと聞いた。
そこへ別のパトカーが通りかかったので、あたしはタクシーを停めるかのように手をあげパトカーを停めた。
通報したのが自分である事、おじいちゃんをここで見失った事、ふらふらしていた事などを伝えた。
するともう1台パトカーがやってきて、パトカーに囲まれ、ここで事件でもあったかのような状態になってしまった(^o^; 銭形だけは目の前のパトカーに大喜びしていた\(^▽^)/
大ごとになってしまったなぁ(;^_^A とあたしは思い、「ただの散歩かも知れないのにすいません」と謝って、銭形と共に田中が眠る家へと戻った。
するとしばらくして警察から電話がかかってきた。
「おじいさんは無事に家に帰ったそうです。」
ひゃー(☆。☆)やっぱりただの散歩だったのか(;^_^A
「お騒がせしてすいませんでした。」
「いえ、こういう事が大事なんです。ありがとうございました。」
あたしは「ははは(^^ゞ」と苦笑いをしつつ、おじいちゃんが無事だった事にほっとして受話器を置いた。
毎度まいど、お騒がせなかずのすけであ〜る(^^ゞ


