スパイス工場で働き始めてから1週間が過ぎた。
ほとんどの人が同じ部署、同じ仕事をこなす中、あたしは欠員が出る度にそこを埋める人員として毎日違う仕事をこなしている。
サンタクロースがかついでいそうな大きな袋に入ったスパイスを巨大なじょうごに入れる作業をしたり、広い室内をぐるりと囲むベルトコンベヤーを操作して段ボールを何百箱も流してみたり。SF映画にでも出てきそうなメカが行ったり来たりする倉庫で働いてみたり…。
面白いと思ったのが、段ボールを止めるガムテープ。あたしはガムテープは人が手作業で貼っていると思っていたんだけど、実はベルトコンベヤーにガムテープの機械もセットになっていて、段ボールが流れてくるとガムテープがぴったり真ん中に、高さも幅も計算されて貼られていく。
しかもガムテープには黄色や赤や青なんかもあって使い分けされている。とにかくすごくて驚いた!
そんな職場でのある日の事、あたしは課長と話をする機会があり、意外な話を聞く事となる。
あたしの27日の日記に登場した、手首に小花のタトゥを入れちょっと恐い、でも仕事はなんでもできる「墨ちゃん」が、あたしを褒めていると言うのだ(☆。☆)
課長からそんな話が出るとは思わず、てっきり注意でもされるのかと思っていたあたしは、褒めてくれている課長に対して「すいませんでした」と謝ってしまったほどだ(^o^; あたしが褒められるなんて信じられない!
なんでも「仕事が早くきちんとしている」と言った内容だったような…(^o^; ←よく覚えていない。でも恐い墨ちゃんが褒めているという事だけは覚えている。嬉しかった。
毎日違う仕事を任されるから、その都度必死にやり方を覚えて自分なりに繰り返し手順を言い聞かせて、かなり気合いを入れてやっている。
それがよかったのか、恐い墨ちゃんに少しだけ認めてもらえたようだ。大人になると他人から褒めて貰う事なんてほとんどないから本当に嬉しかった。
でもあたしはその日の休憩時間、課長と墨ちゃんがあたしもいる同じ室内ですごい話をしているのを聞いてしまった。
「会社はボランティアじゃないんだから、使えない人間はやめてもらうしかないだろう。〇〇さんも8月までで辞めてもらう」
ひゃーーー!なんて恐ろしい会話を!しかもあたしの目の前で(☆。☆)それは新人のあたしに対するプレッシャーか?いや、違う。あたしの事なんて全く気にしてないもの。
二人の会話は普通に続いている。二人とも仕事に高いプライドを持っていて働きっぷりが気持ちよく真剣で厳しい人だ。
あたしはなんだか恐くなった。褒められたあとに、この会話。なんともドキドキで気が抜けないと思ったかずのすけであった。